認知症 | 枚方市の心療内科・精神科 わたなべクリニック

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認知症

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大正時代の平均寿命は42-43才で終戦直後は50-54才だったようです。現在は81-87才と世界一の長寿国となっていますが、野生の世界ではありえない「老化」という問題を抱えることになりました。人間の能力は概して20才頃が最大で徐々に衰えていきます。衰えはすべての人で経験されることですが、この老化現象と認知症との境目は実に曖昧です。そのため診断する医師によって差が大きくなっています。

少し前までは「長谷川式簡易知能スケールで何点以下は認知症」「画像検査で異常がないから認知症では無い」など説明を受けたかもしれませんが、認知症病態の中核は記憶力や脳の萎縮度だけではなく、どこまで生活能力が落ちて手助けが必要になっているかだと思います。頻回に迷子となったり買物が出来ない、衣服や食事をきちんと出来ない、暴力行為が激しかったりなどがあれば、記憶力が保たれていたり脳の萎縮がなくとも認知症と診断されるようになっています。

認知症は長生きすればどこかの段階で出現するもので避けられません。アルツハイマー型については若干遺伝的な要素があります。また、社会的活動性が低い方にでやすいので、趣味や他者との交流を増やすことは重要です。糖尿病や高血圧とも関連があり、骨折や肺炎などで入院すると進行しやすいことも知られています。普段からの生活習慣をきちんと整えることも予防につながります。
物忘れや他人に迷惑を掛けていることへの自覚がない方が多く、間違いを指摘したり行動の訂正を求めると口論になりやすいです。ケンカをした記憶は忘れても、恨みや怒りの感情は残りやすいので徐々に敵対的となり、さらにケンカしやすくなる悪循環に陥ることがあります。できるだけ受け流してケンカせず、相手に味方だと思わせるような対応が望ましいです。

治療

認知症の進行抑制を主な理由として、4種類の抗認知症薬があります。
残念ながら老化の要素も強いので、不老不死薬がないのと同じく根本的な治療方法はありません。

認知症を悪化させやすい糖尿病や高血圧や感染症に気をつけるため、何かあれば近所のかかりつけ内科と相談しやすい体制を整えることは重要です。
当院では介護負担となりやすい認知症の精神症状緩和を提供できます。

  • 不安や妄想、不眠、夕方の混乱などは対処しやすいです
  • 残念ながら易怒性や徘徊、異食行為などの軽減は難しいことが多いです

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