睡眠について
睡眠は①安心②疲れ③夜の3つの要因で調節されています。
不安や苛立ちを取り除き、日中の活動性を上げることが重要になってきます。
夜になると眠くなる機構は人間という生物に備わっている特徴ですが、40~50代になると上手く機能しなくなり、不眠がちの人が増えてきます。
60代で約1/3が不眠を感じていると言われています。
睡眠の脳に与える効果は全て解明されていませんが、日中の活動で疲弊した脳を休ませ、記憶を整理する役割が分かってきています。身体的にも不眠があると高血圧や糖尿病、心筋梗塞の確率が上昇すると言われています。
睡眠不足によって日中の疲労感や注意力の低下、情動不安定がでやすく、昼寝すらできません。そのような状況は心身ともに疲弊させるので受診を勧めてください。なお、高齢者の中には昼にうとうとと寝ていてもその自覚がなく、そのため夜に眠れないと強く訴えて眠剤を飲まれる方もいます。乱用につながりますので眠剤の使用には周囲の人々も注意ください。
治療
- 生活環境の見直しが第一です
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- 昼寝をしない
- 朝に起きる時間から逆算して就寝する時間を決め、それまでダラダラ布団に入らない
- カフェインや飲酒を控える
- 適度な運動など、日中の活動を増やす
- 薬物治療も有効です
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- 現在の主流はベンゾジアゼピン系と呼ばれる比較的安全な薬物です
- 軽い依存(お酒よりまし)とふらつきがあるので、指示通り内服ください
- 効果が乏しい場合は、他の系統の鎮静剤を用いることもあります
- 特殊な病態もあるので、これらには専門家受診が必要です
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- 睡眠時無呼吸
- むずむず脚症候群
- 周期性四肢運動障害