この病気は脳のさまざまな働きをまとめることが難しくなるため、幻覚や妄想などの症状が起こる病気です。長い経過をたどりやすいですが、新しい薬や治療法の開発が進んだことにより、多くの患者さんが長期的な回復を期待できるようになっています。精神的な負荷も影響しますが、発症後に脳の特定部位が萎縮しますので、何らかの脳の炎症が関わっていると思われます。また遺伝的な要素もあるので親族に同じような症状の方がおられるかもしれません。
本人の病識が乏しく、他から見て明らかな妄想であっても本人は事実であると譲りません。下手に否定するとケンカになりますので、中立的な立場で対応することが望まれます。また、回復期には仕事の効率が落ちたりぼうとすることが以前より増えますが、決して怠けているわけではありません。基本的に青年期発症で、高齢での発症は認知症の前駆症状の可能性があります。
治療
早期に投薬することで幻覚妄想などの症状を抑えることができます。
- 社会生活機能が低下しないよう、リハビリや社会支援を受けていく
- 再発しないように維持する
- 初期の症状が軽減したとしても、根治ではないので投薬継続が必要です
- 投薬を中止すると月10%の確率で再燃すると言われています(1年で70-80%再発)。
- 何度も症状を繰り返すと人柄や能力が荒廃してしまう恐れがある。
- 自傷他害が目立って外来での治療が困難な場合
- 靜かで安全な環境を提供してくれる入院加療が望ましい
- 負担はありますが、投薬調整もスムーズなので比較的早く改善します